2021年自宅で栽培しているムジナモがポリペール水槽で連日の開花。多い日には何と8輪が咲き感動し驚愕した。逐一このブログで報告しているが、そのまとめをしてみた。
7月11日 8輪の開花 前日まで咲いたもの、蕾も見られる。左下は前日までに咲こうとしたが咲ききれず、閉じられなかった1輪のようだ。
1.はじめに
自宅の水槽でムジナモの栽培をはじめて、今年は丁度20年目となる。ムジナモ生育地でのムジナモの開花は、殆ど毎年のように確認しているが、自宅の栽培品ムジナモが開花したのはこの20年間で数回しかない。いかなる条件が整えば花芽ができるのか全くわからない。
2.自宅での栽培の仕方
栽培には浴槽やガラスの水槽、ポリバケツなど大小様々な容器を用いてきた。多くはカキツバタを植え、水槽によってはタヌキモや、シャジクモ、フサモ、マツモなどと一緒にしている。また、ボウフラ対策でメダカなどの小魚も同居させている。なぜか水槽によってムジナモの生育が異なる。アオミドロ類が発生せず、ムジナモが増殖する水槽もあれば、次第に元気が無くなりいつの間にか消滅してしまう水槽も多かった。時には大きくなったカキツバタを刈り、干上がりそうになったら水道水を直接追加。オオバナイトタヌキモやアオミドロを取り除く。日頃の世話はそれぐらいで、放置したままの場合が多い。pH測定などの水質検査も普段はしてない。ボウフラ発生を防ぐためにメダカなどの小魚を入れている。小魚に餌を与えることはあるが、肥料を入れることはしない。
ムジナモの生育に何がどううまく作用するのか不明なことが多い。
3. 近年の様子と今夏のポリペール水槽の開花の様子
今夏は幾つかの栽培水槽の中で、ポリペール水槽のムジナモが、今年の7月の中旬頃、ほぼ連日開花したのである。このポリペール水槽は上面の内径39㎝、高さ48㎝、水深は満水で14~16cmほど。午前中日陰、午後は日当たりが良い。元々は、真砂土にカキツバタを植え、殆ど放置していたものである。2018年4月9日に、ムジナモ3株投入したものである。同時にシャジクモ、フサモも入れたと思う。この水槽はアオミドロも発生せず、透明度が高い。ムジナモは順調に生育していた。翌2019年3月26日には12倍の36株になっていた。その内10株は他の水槽に移した。残りの26株は、翌年2020年3月9日には越冬芽が葉を展開し始め、約8倍の213株になっていた。40株は他の水槽へ移し173株は戻した。この2021年4月26日以降夏まで、狭い水槽に200株以上がひしめいている。現在メダカ3尾入れている。なお、水面上からは見えないがムジナモの下にシャジクモが繁茂している。フサモはムジナモの影となり、日照不足で消滅したようだ。後日ドイツ・テトラ社製のペーハー試験紙でテェックするとpH7.0であった。
花芽を分化する条件とは何か。日照時間、水温、水深、一緒に栽培している植物、メダカなどの小動物の運動による刺激、水中の栄養価、透明度、ムジナモの密度・・・、等々いろいろ考えている。ムジナモ生育地での花を現認したときの経験からすると、アオミドロが発生せず、透明度が高い、というのは共通しているようだ。それと、生育地では年によって開花する場所が異なるが、ムジナモの密度が高い場所で連続して咲いていることが多い。貧栄養かというと、ムジナモ生育地は富栄養化しているのに十分繁茂し、ほぼ毎年どこかで開花を現任しているからどういうことなのだろうか。(今年は開花を現認してない。)
次の表に、今回の連日の開花数を日ごとに示す。
観 察 日 | 7月10日 | 7月11日 | 7月12日 | 7月13日 | 7月14日 | 7月15日 |
開花数(輪) | 2 | 8 | 3 | 2 | 1 | 0 |
観 察 日 | 7月16日 | 7月17日 | 7月18日 | 7月19日 | 7月20日 | 7月21日 |
開花数(輪) | 3 | 0 | 2 | 1 | 1 | 1 |
7月10日以前にも開花していたと思われるが、未確認のため掲載していない。22日以降は蕾ができなかった。ムジナモ生育地での開花に比べ、短期間の開花であった。
蕾が十分大きくなれば、曇りであろうと小雨が降っていても開花を確認している。奈良県の気象データによれば、最低気温が20℃以下、最高気温が25℃以下でも開花している。
4.おわりに
ムジナモを栽培している幾つかの水槽の中で、なぜポリペール水槽のムジナモだけが開花したのか。なぜ今年だけ連日の開花となったのか。長年ムジナモを栽培してきたが、今年のような連日の開花ははじめて経験する。未だ花芽が分化する条件はわからない。水が澄んでいてアオミドロが発生しにくい水槽には何があるのだろうか。狭い水槽の中で、多数の株が時期を同じくして花芽をつけ蕾となり、次々と開花したのは何があるのだろうか。
このポリペール水槽は、今後も今までと同じくほぼ放置スタイルの栽培方法をとるつもりである。来夏も開花するかどうかわからない。大きな楽しみであるが、何とか咲いて欲しい。そして花芽が分化する必要条件に近づきたいと思っている。
以下、画像を載せる
5月4日のポリペール水槽の様子 カキツバタがきれいに咲いているムジナモも元気だ
7月11日の開花の様子を以下に載せる 水槽全体の様子
ムジナモの様子 花、蕾、前日までの開花したものが見られる
上の画像をトリミング 花4輪と蕾、開花後で頭をたれたものがよくわかる
きれいに咲いた1輪をマクロ撮影 柱頭、葯、子房がよくわかる
開花の様子を動画でも撮影しているなかなか編集できない。いつか編集してみたいと思っているのだが・・・。