2013年12月8日日曜日

12月8日 越冬芽(冬芽)

12月8日(日)13時15分~ 曇り 穏やかな日

 今日は、太平洋戦争開戦の日。

 ムジナモもタヌキモも越冬芽(冬芽・殖芽)を作っただろうかと気になりながらもなかなか行けず、本当に久しぶりの観察となった。

 木々の紅葉も盛りを過ぎたとはいえ、生育地周辺のカエデやドウダンツツジは鮮やかだった。生育地の周りの灌木にはクチナシやガマズミなど、実がいろいろなっていた。

水辺Mのほとりのカエデ

同じく水辺Mのほとりのカエデ
 
ポイント⑦の南 ドウダンツツジ
 
 
 ムジナモ生育地の水位は十分(ポイント①の排水溝の底から7.5㎝)。透明度は高い。スイレンの葉はまだ枯れ残っている。コウホネの葉はあと少し。ポイント③で気になるタヌキモは、まだ葉を展開していた。越冬芽(冬芽)がいくつかついている。間もなく葉は枯れ越冬芽だけになることだろう。
 


 ポイント③ スイレンはまだ葉を残している
タヌキモは遠目にはわからない

ポイント③ タヌキモ
越冬芽がいくつかできている

ポイント③ タヌキモの越冬芽のアップ
捕虫のうは落ちてしまったのか、気がつかなかった
 
 
 

  ポイント⑤東でも、タヌキモがまだ確認できた。ムジナモも越冬芽になっている。こちらはもう展開した葉はない。
ポイント⑤東 タヌキモ

ポイント⑤東 ムジナモの越冬芽
 
  
 
 隣のポイント⑥では、オオバナイトタヌキモがしぶとくもまだいくつかの花をつけている。ただし花弁は開いてはいなかった。ムジナモの越冬芽もなんとか確認できた。 

ポイント⑥ オオバナイトタヌキと花 

ポイント⑥ ムジナモの越冬芽
 
 
 最後にポイント⑧へ。ムジナモもタヌキモもわからなかった。いつも他のポイントに比べやや暗い感じだったが、紅葉のおかげか、今日はいつもよりきれいに見えた。
 
 
ポイント⑧ きれいだった
 
 
 以下に実のいくつかを紹介する。
 


 

クチナシ

ガマズミ 
 

トベラ 
 
 
 
 酸性雨やカミキリ、マツノセンチュウの影響か、生育地まわりのクロマツがどんどん枯れ伐採されている。よく手入れされた立派なマツばかりなので残念に思っている。今日初めて気がついたが、生育地の土手になんとクロマツの幼木が何本も生えているではないか。雑木がいくらか剪定・伐採されて明るくなったので陽樹のマツには好環境になったのか。踏まれずに大きく育ってほしいものだ。
 
クロマツの幼木
 
 今年もあと3週間と少しとなった。今年は例年になく観察回数が少なかった。とりわけムジナモの開花時期に1回しか行けなかったのが悔やまれる。来年はいっぱいムジナモの花に会いたい。また、タヌキモの花は数年お目にかかっていないので、ぜひ見たいものである。
 

2013年9月29日日曜日

9月29日 秋の声

9月29日(日)14時40分~ 快晴 弱い東よりの風

 54日ぶりの観察である。
  ムジナモの開花期に行けなかったことが残念。前回の観察(8月6日)では、花も蕾もいっぱいだったから、8月の中旬ごろまでは連日の開花であっただろう。

 さて、厳しい夏、経験したことのない豪雨、竜巻も去り、紅葉は進んでないものの、秋の気配は徐々に深まっている。生育地西の水田は、稲穂がしっかりと実り、すでに借り入れの終わった田んぼがほぼ半分。畔には盛りを過ぎた彼岸花が咲いていた。稲穂の上をアキアカネだろうか2匹飛んでいた。イナゴがいっぱいの田んぼもあった。

黄金色に輝く稲穂
 
 ムジナモ生育地西の水路に、今年もタヌキモが流出。ポイント③で水田用に取水した時に、ポイント③のタヌキモが流れたのだろう。しかも水辺Mに流れ込んでいた。水辺Mではタヌキモは生育しているのか? 丹念に見たわけではないからはっきりしたことは言えないが、ここ数年確認したことはない。来年はぜひ見たいものである。

水路で野草にひっかかったタヌキモ 

水辺Mにまで流れたタヌキモ
 
 ポイント③では、タヌキモがよく繁殖している。左方下ににトンネル式の取水口がある。そこからタヌキモが流されたのだろう。なお、昨年はポイント③の北側までタヌキモが大繁殖をしていたが、今年はそこまでではない。
 
ポイント③ タヌキモ

ポイント③ タヌキモ
 
 ポイント①で水位を確認。+9.0㎝で十分。すぐ北には、アケビの実がたくさんなっていた。もうすぐ食べごろのよう。
ポイント③の北 間もなく熟れる三つ葉アケビの実
 
 ポイント④あたりから水辺Mを見ると、淡水赤潮がわずかに残っているのが見えた。
水辺M 淡水赤潮

 ポイント⑤へ。アシやカキツバタなどがぎっしりと繁茂。西ではムジナモ・タヌキモとも確認できず。中では野草のため観察できなかった。東はムジナモもタヌキモも健在。
ポイント⑤東 ムジナモ

ポイント⑤東 タヌキモ
 
 すぐ隣のポイント⑥へ。様相は一変する。オオバナイトタヌキモが大手を振り、黄色の花が一斉に咲いている。ムジナモはオオバナイトタヌキモに囲まれ、申し訳なさそうになんとか生き残っているという感じだった。

ポイント⑥ オオバナイトタヌキモに囲まれたムジナモ数株

ポイント⑥ オオバナイトタヌキモの花

 さらに東へ移動。ポイント⑥と⑦の間あたりのガマズミの実が鮮やかだった。
ポイント⑥と⑦の間 色鮮やかなガマズミの実
 
ポイント⑦のあたりは、スイレンとコウホネのせめぎあいが少なく隙間が広いのだが、かつてのようなムジナモ大繁殖はない。西・中ではムジナモ、タヌキモ共確認できた。昨年水中にあった微生物(?)の塊が剥がれたのか浮かんでいた。

ポイント⑦の西 オオバナイトタヌキモとムジナモ

ポイント⑦の西 タヌキモ

ポイント⑦の西 ムジナモ

ポイント⑦の西 ムジナモ
 
 
ポイント⑦ ムジナモ
 
ポイント⑦ 微生物(?)の塊
 
 ポイント⑧では、風で流されてくるのか、それまで確認できなかったムジナモがこの時期見られるようになる。
 
ポイント⑧ ムジナモ

ポイント⑧ ムジナモ

ポイント⑧ ムジナモ
 
 観察を終え帰るとき、ポイント④の道を挟んだ南側の草原にアキノエノコログサなどのイネ科の穂が太陽光線を斜めに受け、美しく金色に輝いていた。

ポイント④の道を挟んだ南 逆光で金色に映える野草の穂
 
 
 

2013年8月6日火曜日

原爆の日咲く

8月6日(火)12時30分~ 晴れ 弱い北寄りの風

 今日は広島原爆の日

ひっそり咲いていたムジナモの花

 このところ何かと忙しく、なかなか観察の時間が取れなかったが、今日は合間ができたので観察に出かけることができた。
この夏は実に雨がよく降る。地球温暖化の影響か、局地的大雨で甚大な被害が出ており、痛ましいかぎり。早い復旧を願っている。昨晩からの雨が尾を引いて明け方も弱い雨が降っていたが、その後回復。観察に出かける頃は晴れており、非常に暑かった。今年はムジナモの株数が少ないが、猛暑ということもあり、自宅の栽培品も開花したので、生育地のムジナモも咲いているのではと期待して出かけた。

 水田からの排水が水辺Mに入るポイントに、4,50㎝ほどのコイがヒューム管を遡上しようと集まっていた。大きなナマズもいたようだった。ナマズの写真は撮れなかった。2年ほど前だった、4、50㎝もあろうかというナマズが水田の方まで遡上していたことがあった。この時期見られる遡上ナマズは産卵行動中なのだろう。
 
 生育地西の水田は水がはられ、ウキクサも多い。最も生育地に近い水田の方に行くと、何匹ものイナゴが飛び立った。畔道を歩いてみると次々に逃げるように素早く飛び立つ。イナゴの大量発生といっていいだろう。これも今年の異常気象のせいか? 稲の生育に大きな被害が出なければいいが・・・。

一斉に飛び立つイナゴ

飛ぶ様子

稲に被害でるだろうか?
 
ポイント③に来ると、水位は十分。スイレンの花が少ないことを思った。タヌキモはよく繁殖している。花は咲きそうにない。2002年はこのポイントで咲いていたものだ。今日は、今年初めて昨年大繁殖したポイント②と③の間でもタヌキモを見た。

ポイント③ 大きく育ったタヌキモ

ポイント②と③の間 やっと見たタヌキモ
 
 
ポイント①へ。水位は+10.0㎝で十分。排水溝の仕切りの板がこわれてなくなったので、いくら雨が降っても排水されてしまうので水位はそれほど上がらない。ここでは小さめの白のスイレンの花が反逆光に美しく映えていた。

ポイント① 半逆光に映えるスイレンの花
 
 ポイント④の堤あたりから水辺Mの南東側の淡水赤潮が見えてくる。それほど広がってはいない。半島の東側にもうっすらと確認できた。

水辺M 南東側の淡水赤潮 
 
 
7月24日にカメに噛まれたポイント⑤へ。前回は曇り空で暗かったこともあってムジナモを確認できなかったが、今日はどうか? 西、中ともタヌキモもムジナモも全く見られない。東は今日はよく見えて、ムジナモも何株か確認できる。ああよかったと思っていると、ムジナモの花が一輪ひっそりと咲いているではないか。広島原爆の日に見事咲いてくれた。生育地では今年初めて見る花。まさにやったぁという気分。まわりの草のため日当たりがいいとはいえないが、まずまずの開き具合。(今日は全部手持ちで撮影したの写り具合は満足できない。)

ポイント⑤東 ムジナモ タヌキモ
この写真の少し左にムジナモの花が咲いていた

ポイント⑤東 ムジナモの花
 
 もう一歩近づいてアップで(再掲)

 という事は、日当たりのよいポイント⑥だったら、株数は去年よりずっと少ないものの、咲いているかも・・・と期待は高なる。はたして、実に何輪も咲いているではないか。目を移していくとここにも、あそこにも、そして蕾らしきもの、咲きそうで開けないものなど、すごい!! ムジナモの株数も増えていたようだ。
 
 
ポイント⑥ 左上に蕾、右下に
ムジナモの株数も多い
 

ポイント⑥ ムジナモの花
 
同アップ

ポイント⑥ 右下に蕾2つ 明日は咲くかな?
 

ポイント⑥ まだ十分開いていない

こちらはほぼ開いている
 
 ポイント⑥の東の樋の西に蕾1輪、東にも花を2輪確認。下の写真は東の花2輪。やや遠いのではっきりしないが、十分開ききっていないのだろう。また、樋の西に今年初めて見るオオバナイトタヌキモの花がきれいに咲いていた。悔しい、タヌキモの花が見たいよう。
 
樋の東 ムジナモの花
開ききれていないのではっきりわかりにくいようだ
 
 
樋の西 オオバナイトタヌキモの花
 
 
 ムジナモの花を観察している時に、ジャミ(小魚)の大群がやってきた。今まで何度も見たが、今日のものはまだ小さいし、色が黒っぽい。ワタカの子どもだろうか?
 
ポイント⑥ 小魚の群れ
 
 続いてポイント⑦の西へ。ここで、タヌキモは勿論、今日はムジナモも確認できた。ここで増殖すると観察しやすいのだが・・・。ポイント⑦ではムジナモはなかった。

ポイント⑦の西 ムジナモ・タヌキモ
 
 最後に、ポイント⑦と⑧の間から⑧へ。間のカキツバタとうの株元ではタヌキモもムジナモも確認できなかった。ポイント⑧では、きれいな青色のイトトンボのおつながりに出合った。きれいなカーブでハートを描いている。7月18日に見た、と同じトンボ(セスジイトトンボ?)か? ずっと同じ場所にいたので、少し距離があるが、ピントの合ったぶれの少ない写真をと9枚も写した。
 
 ポイント⑧ セスジイトトンボ?のおつながり
 
 ポイントによっては、アシやカキツバタなどが踏み荒らされているのが気になった。
 今年は雨がよく降るのでポイント③からの水田への取水は行われていないのかもしれない。昨年のような水路へのタヌキモの流出は今のところない。昨年、水路から水辺Mにタヌキモが流れ込んだと思われる。くまなく探したわけではないが、水辺Mではタヌキモを確認できてない。
 夕方、また激しいにわか雨になった。でも、ムジナモはきっと明日もいっぱいを咲かすだろうな。残念ながら明日は観察に行けない。次に行けるのはお盆のころだろうか? そのころにも咲いてくれるかなぁ。