54日ぶりの観察である。
ムジナモの開花期に行けなかったことが残念。前回の観察(8月6日)では、花も蕾もいっぱいだったから、8月の中旬ごろまでは連日の開花であっただろう。
さて、厳しい夏、経験したことのない豪雨、竜巻も去り、紅葉は進んでないものの、秋の気配は徐々に深まっている。生育地西の水田は、稲穂がしっかりと実り、すでに借り入れの終わった田んぼがほぼ半分。畔には盛りを過ぎた彼岸花が咲いていた。稲穂の上をアキアカネだろうか2匹飛んでいた。イナゴがいっぱいの田んぼもあった。
黄金色に輝く稲穂
ムジナモ生育地西の水路に、今年もタヌキモが流出。ポイント③で水田用に取水した時に、ポイント③のタヌキモが流れたのだろう。しかも水辺Mに流れ込んでいた。水辺Mではタヌキモは生育しているのか? 丹念に見たわけではないからはっきりしたことは言えないが、ここ数年確認したことはない。来年はぜひ見たいものである。
水路で野草にひっかかったタヌキモ
水辺Mにまで流れたタヌキモ
ポイント③では、タヌキモがよく繁殖している。左方下ににトンネル式の取水口がある。そこからタヌキモが流されたのだろう。なお、昨年はポイント③の北側までタヌキモが大繁殖をしていたが、今年はそこまでではない。
ポイント③ タヌキモ
ポイント③ タヌキモ
ポイント①で水位を確認。+9.0㎝で十分。すぐ北には、アケビの実がたくさんなっていた。もうすぐ食べごろのよう。
ポイント③の北 間もなく熟れる三つ葉アケビの実
ポイント④あたりから水辺Mを見ると、淡水赤潮がわずかに残っているのが見えた。
水辺M 淡水赤潮
ポイント⑤へ。アシやカキツバタなどがぎっしりと繁茂。西ではムジナモ・タヌキモとも確認できず。中では野草のため観察できなかった。東はムジナモもタヌキモも健在。
ポイント⑤東 ムジナモ
ポイント⑤東 タヌキモ
すぐ隣のポイント⑥へ。様相は一変する。オオバナイトタヌキモが大手を振り、黄色の花が一斉に咲いている。ムジナモはオオバナイトタヌキモに囲まれ、申し訳なさそうになんとか生き残っているという感じだった。
ポイント⑥ オオバナイトタヌキモに囲まれたムジナモ数株
ポイント⑥ オオバナイトタヌキモの花
さらに東へ移動。ポイント⑥と⑦の間あたりのガマズミの実が鮮やかだった。
ポイント⑥と⑦の間 色鮮やかなガマズミの実
ポイント⑦のあたりは、スイレンとコウホネのせめぎあいが少なく隙間が広いのだが、かつてのようなムジナモ大繁殖はない。西・中ではムジナモ、タヌキモ共確認できた。昨年水中にあった微生物(?)の塊が剥がれたのか浮かんでいた。
ポイント⑦の西 オオバナイトタヌキモとムジナモ
ポイント⑦の西 タヌキモ
ポイント⑦の西 ムジナモ
ポイント⑦の西 ムジナモ
ポイント⑦ 微生物(?)の塊
ポイント⑧では、風で流されてくるのか、それまで確認できなかったムジナモがこの時期見られるようになる。
ポイント⑧ ムジナモ
ポイント⑧ ムジナモ
ポイント⑧ ムジナモ
観察を終え帰るとき、ポイント④の道を挟んだ南側の草原にアキノエノコログサなどのイネ科の穂が太陽光線を斜めに受け、美しく金色に輝いていた。
ポイント④の道を挟んだ南 逆光で金色に映える野草の穂